全国のネットワーク組織体制の在り方について

 平成18年の社会福祉施設等調査報告によれば、全国の47都道府県内には1,028ヶ所の精神障害者社会復帰施設があり、そのうち平成19年4月1日に新体系事業に移行した施設は全体で19%となっている。さらに平成21年度現在では、約半数が新体系事業に移行している状況があり、主として精神障がい者を対象とする事業所数も増加傾向にある。
 このような実情を踏まえ、全国精神障害者社会福祉事業者ネットワークの組織体制の在り方については、全国の対象事業所の規模や組織形態から、事務局を中心とした一極集中体制は困難と思われるため、「全国精神障害者社会福祉事業者ネットワークの連携イメージ図」にあるように、地理的及び現時点の協力体制を考慮して日本列島を4つのエリアに区切り、@北海道を「ネットワーク北日本」、A東北・関東・北陸及び甲信越・東海の一部を「ネットワーク東日本」に、B東海の一部・関西・中国・四国を「ネットワーク西日本」、C九州・沖縄を「ネットワーク南日本」として位置づけ、各地のネットワークは、エリアの会員事業者との情報交換や意見集約等が出来る体制とし、事務局は4つのネットワークと連携しながら、情報の提供やメールマガジンの配信、資料の配付、福祉サービスの向上や制度改善に向けた実態調査等の依頼などを行い、全国の会員事業者に必要な情報を提供する。
 また、こうした地域ネットワーク組織の活動を推進することにより、これまで県単位の組織がないために身近な地域での研修会や連携協力の機会が十分に持てなかった事業者の参加も容易になると思われる。


  1. 全国ネットワークの主な役割
    (1) 全国の会員事業者、関係団体との連携協力、情報交換
    (2) 全国研修会の開催、総会の実施
    (3) 精神保健福祉領域に係る調査研究及び情報提供
    (4)
    国への要望、意見集約など


  2. 各地域のネットワークの主な役割
    (1) 会員事業者の連携、情報交換、情報発信など
    (2) エリア毎の研修会の開催、交流事業の実施
    (3) プロジェクトの立ち上げ、調査研究事業の推進など


  3. 事務局の主な役割
    (1) 会員への必要な情報の提供(精神保健福祉に係る事業や制度、政策等)
    (2) 各県の活動や地域ネットワークの活動の把握、連携支援
    (3) メールマガジン(研修案内等を含む)、定期刊行物の編集・配信
    (4) 他団体との連携、協力体制作り、広報活動など



「プラザ集合方式」(同時多発プロジェクト)による調査研究等の取組イメージ

 全国精神障害者社会福祉事業者ネットワークに参加する県単位の団体または法人で、地域内で抱える課題や精神障がい者特有の生活支援等の問題などをテーマに基づいて調査研究等を実施する際に、単独あるいは複数のネットワークを活用して、効果的な情報収集や調査研究等を実施し、同時多発的な研究プロジェクトが出来る仕組み作りをする。
 内容によっては複数もしくは全体のネットワークを活用して事業を進めることも可能で、これらの研究成果をデータベース化するなどして、会員事業所の様々な事業の取組の参考にするほか、他団体と連携した共同研究事業等にも活用していく。これまで精神障がい者の地域生活の課題やそれらを担う福祉事業所等の現状を明らかにした全国規模のデータが不足しているため、制度的な改善等を国に要望する場合に十分に声が届かないなどの問題も生じており、こうした状況を打開していくためにも重要な活動の一つとなる。